内側と外側に向かう意識

このタイトルを見て、脚の筋肉を思い浮かべている方が多いのではないでしょうか?

もちろん、踊るためには脚の内側の筋肉が使えていて外側に回す意識が大切ですが・・・

今日は、体の内側に向かう意識と外側となる空間に対する意識の持ち方についてのお話です。

「下向て踊らない!!」って言われた経験ありますか?

どうして人は下を見て踊ってしまうのでしょう?

自信のなさ、アンドゥオールできているか?足元を確認する、ポワントで立つのが不安で足もとを見る、恥ずかしくて目線を上げることができないなどなど。

自分のほうに意識が向いている場合が多いように思います。

指導者からすれば、「ちゃんと手の方を見て!!お客様の方に顔を見せて!!」などと言いたい!!でもそれはそのほうが絶対踊りやすいからなんです。

アンドゥオールもアライメント(姿勢)もちゃんとできていないのに、その気になって踊っているようで顔をつけて格好良くなんて踊れないわ・・・と言う声も聞こえてきそうですが、いえいえそこのところがとっても大事なんです。

パによっての顔の向きや頭の傾き、カンブレはメソッド的に形としても決められている決まりなんです。

その方が素敵に見えるからでしょうか?

いえいえ、軸足に対しての頭の位置がどこにあるかで踊りやすさが格段に変わるからです。

例えば、アレグロで右足後ろの5番からジュッテをするとします。

右足を床をこするようにアラセゴンドにジュッテし右足に乗って左足を後ろクッペにします。頭は軸足の上ですよね。

クッペ側に頭を持って来たら立っているのが難しくなるのです→と言ったように重心の移動がスムーズにいくように頭の位置や顔の向きも決められているのです。

さて、内側に意識を持つことはないのでしょうか?

私は、バーレッスンの時こそ自分の内側に意識を持つべきだと思います。

「今自分のバランスがどこにあるのか?アンドゥオールを維持できているのか?ルルベでバランスが小指側に逃げていないか?」など人によって考えることは違うと思いますが、体の内側に意識を持って(集中)体を作ることが大事です。

ただし、いかなる時も下を向いてはダメですよ。頭の位置が少しずれるだけでもバランスが変わってしまうから・・・

いつでも天井に向かっていくようなイメージで固まることなく伸び続けるように。

集中が緊張に変わった時に体が固まってしまうので、「心配しないで潔くバランスとって!!」なんてよく言っていますが(笑)

「笑っていても眉間にしわを寄せても、バランスがとれない時はとれないからね、笑って!!」とも言ってます。

さて、外側に向かう意識ってどういうことでしょう?

空間を意識して踊ることを指します。なので主にセンターレッスンやバリエーションを踊るときに関係してきます。

例えばアラベスクをする時に足もとを見ていたらどうなりますか?

まず軸が引けて立ちきれませんね。自分がアラベスクに立ちきった時どこにいるかを想定してそこに向かって立ち上がっていくと軸が乗って美しいアラベスクになるでしょう。

垂直に跳ぶジャンプはどうでしょう?

足に意識を持つことは確かに大事です。ジャンプは足もとから始まる・・という説もあるくらいなので床を蹴るのは大前提ですが、頭の位置が上がらなければ高いジャンプができません。

「天井に頭がつくように跳んで!!」と言うと上の空間に向かって意識が働き、床を蹴った力が頭の上の空間に向けて突き抜けていくように感じられ、結果高く跳べるのです。

シェネやピケアンでデダンなどの連続回転も目線で決まります。行こうとする方向に目線をつけるとよく回れますが、目線を下げて床を見てしまうと重心が後ろに引けて進んでいけないわけです。見るべき場所をしっかり見る→回転の重要ポイントです。

自分の周りの空気を動かしたり、空間に身を置くような感じで踊ると美しく、軽やかに踊れるというわけです。それが外側に向かう意識です。

パを覚えるので必死な時期を超えたら、上体や顔の向きもセットにしてパを覚えて、「どこに向かって何をするのか」を考えながら、視野や空間を広げて踊れるように練習しましょう。

いつまでも足もとを見て、自分ができているかできていないかだけを考えて踊っていると、「下を見て踊らない!!」の注意から脱出できませんよ。

内側にばかり意識が向いているのではもったいないです(メンタル的に)。

内側に向かう意識と外側に向かう意識をレッスン中に使い分けること。

難しいけどきっとできるはず!!

先生に怒られないようにしないと!!できない自分はダメなんだ!!失敗するかも!!

ができなくなる一番の原因です。

踊るっていうことは解放されること。もっと自由に、もっとのびやかに、もっと楽しく・・・

踊ることが皆さんにとって幸せなことでありますように。








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