幼児期に育てるべきこと
小さい子供たちはレオタードを着ただけで可愛く、目が細くなってしまいます。
お友達とレッスンするのが楽しくて楽しくて・・・
そんな子供たちにバレエ教師は何を教えているのでしょう?
他の先生のレッスンを見たことがないので、わたくしの考えを書いてみます。
私のクラスでは、柔軟性を高めるストレッチ、集中力を高めるバーレッスン、センターはコーディネーショントレーニングをメインに行います。
こう書くと難しそうですが、楽しくできることばかり・・・
ストレッチなどはどの先生もそれほど変わらないのではないかと思いますが、バーレッスンは短くて簡単な順番を1回で覚える(4歳~6歳)練習をします。
(基本は1回で覚えるですが、理解できなかった場合にはそのままにしないで「もう一度お願いします」と言うようにも教えます)
集中力を高めることと約束事を守ることが目的です。
子供はなかなか集中することができません。お友達とおしゃべりをしちゃったり、じっとしていられなかったり・・・。
そこで短い時間集中する練習と、約束をしてそれを守ったら褒めるということをしています。「先生が説明するときは一生懸命見て~」「先生がお手伝いしなくても皆だけでできたらすごいね」「足を投げ出して見ていないで三角座り(体育座り)で見ていてね」「お口はチャックよ」など。
見本を見せる時には指導者も子供も声を出して回数を数えたり、ちょんちょんちょん・たんたんたんと言ったリズムを伝えながら教えます(客観的に見ているのではなく、参加させること)。
「さてみんなが先生に見せてくれる番よ」と言ってバーレッスンを始める時に、最初は一緒に動いていましたが、だんだん声だけで指示を出すようにし、最終的には子供たちの覚える能力に任せてやらせてみる。「先生が手伝わなくてもできたね!!」とたくさん褒めると子供たちは「先生やらなくてもいいよ、私たち覚えられるもん」と言って見事に覚えるようになります。
先生がやっているのを集中して見る→これだけでも子供にとっては難しいことですが、見る体制ができるまでは説明しないで待つ。
「静かにしなさい」「お話しを聞きなさい」と怒鳴ることはマイナス。
「踊る人が準備できなければ音楽は鳴らないよ」「みんながお話を聞く準備ができなければ先生は説明しないで待ってるね」と言うと子供たちは空気を読んで自分たちが今何をするべきかを学びます。
先生がイライラすることなく待つことができたらこっちのもの・・・
怒られるからお話を聞く、先生が怖いから言うことを聞く、では自主性が育たないですね。
体育座りをしながら、「いっ~かい、に~かい、さ~んかい、よ~んかい」と私が行うプリエを歌を歌うように数え「次はるるべ~、手はアンオー」とみんな得意げに、楽しそうに覚えます。
今の世の中はながらが多いですよね。
ご飯食べながらテレビを見る、音楽を聴きながら勉強する、歩きながらスマホをするなどなど。
すべてが悪いわけではないですが、何か1つのことに集中するということを幼児期にさせるのは良いのではないかと考えています。
「今日はいつもと順番が違うかも?よく見て~」というと小さいお目目がキラキラします。
みんな乗り出してじ~っと見ているその姿がなんとも可愛らしくて・・・
なので、発表会の振り付けの覚えは抜群です。
子供だから覚えられない、一緒にやってあげないと!!と思う必要はなくて、やらせてみる勇気を持つことですかね?
良い先生、丁寧な指導も良いのですが手に手を尽くしてはダメ。自力をつけさせるために子供を信じてやらせてみるのも良いのでは?と考えます。
この時期の子供にとっては脳のトレーニングにもなるんです。
見て覚えた順番を体で再現する訓練が脳から体への伝達の能力を育てます。
併せて音楽を聴いてリズムをとる、動きをイメージする、想像力を高める、運動神経を高めるなど幼児期にはするべきことがいっぱいです。
幼児期からバレエを始めると、小4でトウシューズを履くまで飽きさせずに上記のような能力を高めていかなければなりません。
子供は頭で考えずに感覚で踊るもの。その感覚はレッスンでも養っていかなければなりません。(右脳の訓練が大事です)
コーディネーショントレーニングもとても大事ですが、そのことについては次回書いていきたいと思います。
0コメント