強い軸、しなやかな軸
バレエは体の中を通る1本の軸を床の上で移動させながら踊ります。
足の上に骨盤、肋骨、肩甲帯、頭がきちんと積み重なり、お団子の串を頭の中心から足に向けて刺したような感じです。
その軸を作るにあたって大事なのは体幹部の筋力。骨盤と肋骨の間は腰椎のみで支えられているため、骨盤の上で肋骨を前後左右に動かすことが出来ます。そうすると下半身と上半身が別々の動きをしてしまうので軸を作ることが出来ません。
お腹周り(後ろ側も含めて)の筋力があれば骨盤と肋骨の位置関係もずれることなく積み重ねることが出来ますね。
体幹の鍛え方はいろいろあります。今はピラティスやヨガなどの手法、バーオーソルなどバレエのトレーニング方法も広まってきています。
体幹の筋力がつき、立位でバレエの姿勢が取れるようになると軸が作られますが、けして「きをつけ」をして踊るということではないんです。
回転、ジャンプ、アレグロなどは軸をまっすぐに立てたまま動くことが多いですが、アダージオ、グランワルツなどは上半身の動きを伴うことも多いので曲線ラインを出さなければならないことも多いですね。
前カンブレ、後ろカンブレのような上体の動きを伴うパ、ランベルセなどの曲線を出すパなどはバーレッスンでイメージする頭から足までを貫く1本の軸とはかけ離れたものだから軸はないのかしら?と思いますが、軸はあるのです。
どのような動作の中にも軸がありますが、首も上体もいつもしなやかに動かせる状態でいなければ踊ることも表現することもできませんね。
まずは床を押し返した力が足首や膝、股関節を伝わって体幹までつながるかどうかがかなり重要な要素です。どこかで屈曲してしまうと軸が感じられなくなってしまいます。
プリエではどうでしょう?片足プリエをしたときもきちんと軸足に乗って軸を感じてプリエをします。
軸をつくる=固まることではありません。
のびやかでいつでも動けるような状態で軸をつくることはなかなか難しいですが、空間を感じて上方にストレッチしながら体幹の強さを維持して行くとしなやかで強い軸ができるのではないかと思っています。
体をえんぴつに見立てて芯の部分だけ上方に引き抜くとか、背骨を頭のてっぺんから引き抜くとか、頭・肋骨・骨盤の3つのお団子に刺さっている串を頭から引き抜くと言ったイメージはどうでしょう?(体の外側は楽にね)
引き上げていくことがわかると、体は細く高くなり足も自由に動かせるようになりますね。
股関節に体重を乗せないように立つ、骨盤と肋骨の幅を狭くして立つ(サイドから挟むように)、大腿骨の骨頭の位置を高くするように意識してルルベをする…と考えるだけでも引き上げることができます。
さあ、この中に皆さんの感覚にヒットする言葉があったでしょうか?
強い軸、しなやかな軸を作ってのびのび踊ってくださいね。
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