努力の方向性はあっていますか?

バレエの指導をしていて、よく考えることがあります

最短で上達させるにはどうしたらよいか?ということについて。

生徒さんに対して正しいやりかた(知識)を伝えて、努力の方向性を間違えないように導くことなのではないかと思うのですが、頑張り屋さんの生徒さんに限って時々努力の方向性を間違ってしまう場合があります。

例えばストレッチで、床に座り脚を横に開いて前屈をするとします。「体が柔らかいことが一番良いこと」と考えて、力ずくで床に頭をつけようとする人がいます。力んでストレッチすると、緩めようとするところに力が入るので、痛いばかりで結局緩まないという結果になります。

床に頭がつくこと=体が柔軟 と考えているだと思いますが、本当にストレッチされるべきところは緩んでいるのでしょうか? 最悪の場合、骨盤が前傾せずに腰椎にダメージを与えているだけかもしれません。たためるのは股関節であって腰椎ではないのですから、いくら床に頭がついても柔軟性が高まったとは言えません。

筋トレはどうでしょう?腹筋は何十回もできるのが凄いことだと思っていませんか?

30回腹筋のトレーニングをしたとして、何回正確にできているでしょうか?10回以上になると疲れてほかの筋肉の力を借りて回数だけこなしているだけで、本当に正しく腹筋に力が入っていない場合があります。

バーレッスンでも脚が高く上がるのが一番良いことと考えた場合、グランバットマンで軸足の膝を曲げてでも足を高く上げる、上げた足が内旋しても高く上げるということになります。

これではいつまでたっても正しい体の使い方はできませんね。

せっかく努力をするのなら、適切な方法で正しく体を鍛えたり、バレエのレッスンをしてほしいと願います。

★何のためにこのパの練習をするのか?

★この筋トレは何のためにするのか?鍛えるべきところに正しく力が入っているのか?

★このストレッチはどこの筋肉を伸ばすために行うのか?体の力を抜いてストレッチできているのか?

考えてみたことはありますか?

正しく守るべきことを積み重ねた結果、体が柔軟になったり、筋力がついたり、バレエのパが上手になったりするのですから、理想の形に当てはめることばかりに気を取られると、逆に遠回りをしてしまうこともありますし、ケガをしてしまうことにもつながります。

ストレッチのやり方が悪ければ肉離れをおこしたり、筋トレのやり方を間違えると鍛えるべき場所以外の筋肉や関節に負担をかけることにもなります。バレエのレッスンでもきちんとアンドゥオールが維持できなければ美しくもありませんし、体重移動もスムーズにできません。

残念ながらバレエの上達に近道はありません。正しい方法でこつこつ努力を積み重ねることが何よりの近道です。

あなたの努力の方向性はあっていますか?





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