身体の特徴を観察する
皆さんは自分の身体の特徴を知っていますか?
バレエを教えていると沢山の生徒さんの身体を毎日見ています。
Aさんはアンドゥオールしやすい体だけどハムストリングが硬くて膝が伸びづらいタイプ、Bさんはアンドゥオールしにくい上に反張膝でバランスが後ろに取られてしまうタイプ、
Cさんは股関節は開きやすいけど筋肉がつきにくいタイプなので体幹が弱く引き上げがうまくできないタイプ、Dさんはアンドゥオールしやすい体だけど胸椎や腰椎の柔軟性があまりなく骨盤の動きが悪く脚が上がらないタイプなどなど・・・。
バレエをするには、筋肉の柔軟性、関節の可動域、筋力、バランス感覚などいろいろな要素が必要です。
でも人の身体の条件は本当に様々。
まずは自分の身体の条件や今の状態を知ることが大切です。
例えば・・・
股関節の外旋の条件→6番(パラレル)に立ちつま先を外に開いて行ったときどのくらい開けるか(1番で立った時の状態)
膝の裏の柔軟性→1番ポジションで前にポールドブラをしたとき、膝を曲げずに体をどのくらい倒せるか?(お尻を引かずに)
そもそも骨盤前傾(出尻)なのか、骨盤後傾(タックイン)なのか?
ルルベをしたとき踵(かかと)をしっかりあげられるか、ルルベが低い状態か?
膝がもともと後ろに反っている反張膝、О脚・X脚、股関節が浅い臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)なども特徴的な身体の条件です。
ここに書いたのはわかりやすい特徴的なことですが、膝が伸びにくいと言ってもふくらはぎの筋肉が伸びにくい、太ももの裏の筋肉が伸びにくいと言う2タイプがあるし、出尻の人は腸腰筋の柔軟性が不足している、大腿四頭筋が硬くなっていて骨盤が前に引っ張られている、背筋の緊張が強いと言ったようにいくつかの要因が考えられ、タックインの人は腸腰筋の緊張が足りない(筋力不足)、太ももの裏やふくらはぎの筋肉が伸びにくくて骨盤が後継している、腹直筋の緊張が強いと言った3タイプなど、人によって問題になっている部分が少しづつ違っていて、その人のどの部分が踊りに影響しているかを特定するのはなかなか大変です。
筋力や柔軟性の不足ではなく、筋力や柔軟性があってもうまく使えていない場合もあります。
バレエのレッスンの回数を多くすれば上達するはず・・・と思っている方も多いかもしれませんが、大人バレエの皆さんは体の特徴を知って、筋力不足を補ったり、動きを妨げている筋肉の緊張をストレッチで緩めたり、体重の移動をイメージしたり、条件を整えることをしていくと上達の近道になります。
自分の身体がどうなっているかを感じ取る能力=うまく体を動かす能力と言うことになります。
ちなみに私の身体はこんな感じです。
股関節の外旋は条件悪し、足底は縦のアーチはあるけれど横のアーチが十分でない、膝と肘は過伸展(反張膝・猿手)、腰椎の柔軟性が高い、胸椎の下部の柔軟性はあるけれど上部は動きが悪い、ハムストリングスの柔軟性はかなり高い、骨盤前傾傾向、ルルベは高いが甲の部分より足首の前側が良く伸びるタイプ、腸腰筋が硬くなる傾向、体幹は強い・・・こんな感じです。
動きが悪いところはストレッチで柔軟性を出し、筋力が低下しているところは体全体の筋肉の協調性を持った筋トレで補う、バレエ以外のイストレなどで体幹の引き上げなどをイメージするなど、自分の身体に合ったプログラムで踊れる体を維持しています。
エスポワールクラスでも関節の動きを出すストレッチメニューや筋肉の協調性を高めるトレーニング、バレエトレーナーによる講習会などで踊れる体にするためのプログラムを提供しています。
「バレエの理想の体」のイメージに無理やり自分の体を当てはめる前に、自分の身体の条件を知って、それに対する対策を考えて踊りやすい体を作ることは、遠回りのようで実は近道なんです。
皆さんも自分の身体をまず観察してみてくださいね。
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