もっとアンドゥオールしたい人へ

バレエ用品店や本屋さんに行くとバレエの教則DVDや教則本がたくさん並んでいます。

バレエ用語辞典、バレエの雑誌なども沢山あり、バレエを勉強したい人にとっては手軽に本を手に取って学ぶことが出来るので、良い時代になったなあ~と思います。

どの本やDVDを見てもモデルさんの足は180度外旋(アンドゥオール)。美しくて正しいポジションでうっとりと見とれてしまいますが、何か違和感を感じませんか?

「あまりにも自分とかけ離れている」そう感じている方も少なくないはず。

きっとバレエの知識がない方が見ると、「180度に開かなければバレエはできないんだ」

「練習すればいつかきっと180度に開くはず」と思ってしまうかもしれません。

でも、残念ながら大人バレエではなかなか難しいのが現実です。

股関節の可動域は骨格によるところが大きく、大腿骨がはまっている骨盤の穴の向きや角度、大腿骨骨頭周囲の形状、靭帯の強さや長さ、臼蓋形成不全(股関節の受けの部分が浅い)か正常の骨盤(ヒップソケット)の形状かどうかなどによって、大腿の外旋(アンドゥオール)の角度が決まってしまいます。

アンドゥオールの指標でも書きましたが、股関節の外旋の角度は片足45度開けば正常です。あとは膝や足首の回旋で助けていますが、骨格が固まってしまっている大人の人は足首や膝を無理にひねることによってケガをしてしまいます。

出来るだけ股関節のアンドゥオールに揃えて立つ!!が原則です。

180度アンドゥオール出来る人と、90度~120度くらいのアンドゥオールの人はどちらが踊りやすいでしょう?

おそらく180度外旋の人だと思います。脚が体の真下にくるのでバランスが良く、ルルベやポワントで立ってもほぼアテールの時と立ち位置が変わりません。(真上に立てば良いだけ)

ではそこまで開かない人はどうでしょう?ルルベやポワントで立つたびにつま先の上に体を持っていかなければならないので、常に前方へのバランスの移動をしなければなりません。

大変・・・と思われるかもしれませんが、引き上げさえできていれば上体を上に吊り上げてあげるだけで、ポワントの上に体を移動することが出来ます。

無理なく180度アンドゥオールできる人は少数で、実はそこまで開けない人のほうが多いのに、開けない人用の教則本はありません。

お教室の先生もバレリーナですから、それはそれは美しいアンドゥオールをなさるでしょう。

先生のように開きたいと思って努力をされる方も多いと思いますが、体の条件を無視して膝や足首を傷めてはバレエが出来なくなってしまいますね。

それよりも開かないなりにわずかな外旋を出す努力をした方が賢明です。

5番ポジションでルルベに立った時に前脚の付け根(股関節の場所)を1センチだけ上に引き上げてお尻の下で足を外向きに回してみましょう。もし少しでも回るのなら、それがその方の最大限のアンドゥオールと言うことになります。(後ろ足も最大限に回すこと)

最大限にアンドゥオールしたかったら股関節に上半身の重みを乗せないように上体の引き上げを強くして、股関節内で脚の骨を外向きに回すことをお勧めします。

「骨を回す」がポイント。筋肉に指示を出すとタックインや出尻になってしまう危険があるので骨をイメージしてみるともう少し回せるかもしれません。

股関節内でまだもう少し回せるかもしれない可能性を探ることは、膝や足首でひねりを出してアンドゥオールするよりもケガのリスクを減らすことが出来ます。

しかも踊りやすく、見た目も美しくなるはず・・・

股関節内で大腿骨を外旋しきれていない人は結構多いですよ!!

安全なアンドゥオールの勧め・・・

試してみてくださいね!



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