腰椎のダメージを考える
バレエのポーズの中でも最も美しいポーズのアラベスクとアチチュード。
美しさの中にちょっとした危険が潜んでいます。
バレエをしている人のケガは足首から下、膝、股関節そして意外に多い腰の障害。
どんなところに腰を痛めるリスクがあるか見て行きましょう。
生徒にポーズをとってもらったので、見ながら説明します。
上の写真は骨盤を開いて腰椎のひねりが大きいアラベスクで、下の写真は臀筋を使ってターンアウトした腰椎にダメージが少ないアラベスクです。
上の写真は軸足も骨盤にとられて内旋し、踵重心になっていてラインも美しくありません。
下の写真は腹筋を使って腰椎をサポートし、胸椎の下部で曲線を出しています。
腰椎は丸くなったり反ったりはしますが、ほとんど回旋しません。
そこに捻る力が強くかかってしまうと腰を傷める結果になります。
次にアチチュードではどうでしょう?
上の写真は後ろ足をクロスしすぎて腰椎に負担がかかっています。軸足も内旋し、不安定なので左の肩に力が入っています。
下のアチチュードは腰椎にやさしく、軸の股関節もしっかりターンアウトしていてバランスも安定しています。
★腰椎に負担が来る原因★
1、腹筋を使っていない(骨盤が安易に開く)
2、胸椎の柔軟性が不足しているために腰椎で曲線を出してしまう(腰椎は長く保つ)
3、臀筋が使えていない(後ろ足の大腿骨をアンドゥオールするのではなく、骨盤で回旋してアンドゥオールしたように見せている)
4、軸足と上げている脚のアンドゥオールが均等でない
5、脇の長さを左右均等に保つことが出来ていない
などなど・・・
腰が柔らかい人は特に気を付けてください。
(胸椎の動きも良くしてなだらかな曲線をつくります)
バーレッスンの時から骨盤をきちんと揃えて骨盤と脚を別々に動かすこと。
足を動かすたびに骨盤が一緒に動いてしまうと、いつまでたっても片足づつ単体でのアンドゥオールが身に付きません。(ロンドジャンブアテールなど)
後ろに足を上げるときは、まず45度の高さまでは足が先に動き、股関節をしっかり伸展させながらつま先を遠くに引っ張るように上げましょう。
足を上げていくにつれて骨盤が前傾して行きますが、背骨はなだらかなカーブを描くように心がけ、腹筋を使って骨盤の重みを股関節に乗せこまないようにしておきましょう。
(お腹が緩んだアラベスクは腰椎に大きなダメージを与えます)
ウエストを持ち上げてアラベスクすると軸足も踏めるし、骨盤の回旋も最小限になるはずです。
腰の障害は坐骨神経(脚の痛みやしびれ)の辛い症状を伴います。
身体を支える大事なところですから、気を付けてレッスンしていきましょう!
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