大人バレエは踵に注意

タイトルを読んでも???でしょう。

大人バレエの人を見ていて思うことがあるんです。

40歳を過ぎてからバレエを初めて習う人の共通点は、重心が後ろにあって、骨盤が若干後傾(タックイン)していて、肩が前にかぶっていてやや猫背。

特に座りっぱなしの仕事の方に多い現象です。

座った状態でお尻や股関節回りが固まると、立ってもそのような姿勢になってしまうんですね。その方たちがそのままバレエをするとどうなるか・・・

・股関節が硬くてアンドゥオール(ターンアウト)しづらい

・背中が硬くてそれない

・引きあがらない

・膝が伸びない

・動きが遅い

こんな風になってしまうんです。

この状態ではやっぱりやりたいことはできないので、レッスン前に体の癖を取るためのストレッチ(けっして緩めすぎることはない)をしてからレッスンするのですが、バーが始まってもアライメントがなかなか整わない方が多いのです。

踵に座っちゃっているんです。(後ろ重心)

そんな方は足の指も使えていないですよ。

まず、足裏の3点(親指の付け根、小指の付け根、踵)で立ち、更に踵で床を押してみてください。

床を押し返すとわずかに骨盤が立つ感じが分かり、きっと足が強くなる感じがすると思います。ハムストリングスが引き伸ばされ、内側広筋(前ももの内側)もしっかり働いてくるのです。(内ももがしっかり立ちます)

力が向かう方向は床から天井なので出尻にはなりませんし、踵に座っていた時よりも足裏全体に体重が乗ってくる感覚があると思います。

床を押し返した力は必要なだけ脚の筋肉に働きかけ、臀筋の下部や、体幹の筋肉も協調して働く感じになります。

下半身がしっかり安定したらそこに上体を乗せてわずかに上方に伸びていくんです。

後ろに傾いていた骨盤が立ち上がってくると自然に肩が横に開き、胸椎も動きやすい環境になります。(カンブレが反りやすくなります)

反れないからと言って、肩のポジションだけ直しても骨盤の角度が悪いと元に戻ってしまうので、体の組み立てが大事。

やはり大人の方は日常の体の癖が問題ですね。

体の条件を整えてバレエができる状態にすることが最も大事ですが、年齢による体の状態の変化も無視できないところです。(30代。40代、50代と体は徐々に変化します)

引き上げは床を押した力を利用して行うことを忘れてはいけません。

体中に力を入れて耐えるのではなく、床を押した力を体に伝えて更に上に上がっていく作業です。

踵の上に座っていませんか?

心当たりがある方は確認してみてくださいね。


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