深部感覚の話

深部感覚  ①位置覚→四肢や各部位の位置の感覚

      ②運動覚→関節の運動における方向や速度の感覚

      ③重量覚→力や重さの感覚

バレエでいうところの位置覚は、鏡を見なくても手のポジションを正確な場所に置けるとか、デリエール(後方)に足を上げる場合きちんと真後ろに上げられるとかピルエットの前のプレパラシオン(準備のポーズ)でアームスの位置を正しい場所にキープできるか?など。

運動覚はフォンジュなどで後方に足を伸ばしていく場合、ひざ関節に対してひざ下をどの方向に伸ばしたら真後ろに行くかとか、ジュッテやフラッペ、デブロッペなどの動きの速度の違いを感じられるか?など。

重量覚は、どのくらいの力で床を蹴れば高いジャンプができるか?とか、自分の体重をあまり感じないくらいふわっと着地するとか、どのくらいの力加減でフラッペで床をけるか・・・などといった感覚のことです。

たとえば目をつぶって、アンナバンに手を持って行くとします。目を開けてみたらアレ?肩の高さに置いていた・・なんていうことありませんか?

手が高いと注意されたり、足上げる方向が違うわよ!と先生から注意を受けることってありますよね。

自分のやっているつもりと現実の違い、大人の人は深部感覚がやや鈍くなっています。

特にけがをした人は、深部感覚のずれを修正しないとダメかも?

ケガをしようとしてする人はいません。

ジャンプの着地でしっかりターンアウトして降りたつもりだったのに、ひざ下が内旋(内向き)していたという結果→これが深部感覚のズレなのです。

重心の移動をしっかりすることも大事ですが、自分の体を動かしたという事実とそれを感じ取る感覚を一致させる訓練も大切なのかな?と感じるこの頃。

私も腰と膝を患ってから1年余りちゃんとバレエをやっていなかったので、左半身の深部感覚が壊れています。どうやったら左足でドゥミプリエができるか考えないとできないとか、今は片足のソッテ(ジャンプ)をしようとする時、どうやって蹴り返した力をハムストリングや臀筋に伝えられるか?わからないのです。

リハビリもきっと深部感覚が戻るまでしっかりやらないとまたけがをしてしまいそうで怖いです。

自分の体重を受け止める場所や軸の位置の認識を持てる人が上手に踊れる人なのだと思うと、深部感覚を目覚めさせるトレーニングも必要なのではないかと考えるこの頃。

「舞台には鏡がないから、手の高さや体の向きを鏡を見ないで練習しなさい」が私の口癖。

鏡がない教室の子供は小学生でもコールドバレエが上手です。

隣の人との位置関係や、手の高さ、体の向きなど感覚でそろえるからなのかもしれませんね。

鏡が大好きな生徒の皆さん、目で見て手の位置を直したり、足を上げる方向を直さないで、自分の感覚で直しましょう。

「後ろの足は心の目で見て!」と子供には教えるけれど、鏡を見ないほうが深部感覚が鍛えられるので、自分の体の中に意識を置いてレッスンしていきましょう。

ケガをしちゃった人は特に深部感覚のズレを修正していきましょう。

私の左半身の深部感覚覚醒プログラムはまだまだ続く・・これまた勉強ですね、頑張ります!!

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