もう一度アンドゥオールを見直そう
バレエでアンドゥオールと言えば、足を外向きにすることですね。ターンアウトという言い方もします。
なぜアンドゥオールをするのでしょう?
意味はいろいろあります。
5番ポジションはとても機能的なポジションです。すぐに前・横・後ろに移動することができます。パラレルでは横の動きには対応しづらいですね。
股関節をしっかり回すことで上半身と下半身を1つにまとめて動くことができるため体重移動がスムーズでステップも大きく見えます。
大腿骨をしっかり外に回して立つと体にはどんな現象が起こるのでしょうか?
お尻の下の方の筋肉が体の中心に向かって働きます。股関節がぐらぐらしなくなる為体が1つにまとまります。腰を前に突き出したり出尻になる人もいなくなります。
股関節でしっかり外旋することこそが基礎の土台を作る作業で、その上にある上半身は上方に向かってどんどん伸びていくような感じです。
アンドゥオールはまずはお尻の下の方を後ろの中心に向かって回す(脚を回すイメージです)ことが重要と言いましたが、残念ながら股関節で180度に開ける人はいません。
ではあとはどこで補うか…ですが、少なからず膝と足首をひねることによってアンドゥオールが完成します。
股関節が硬い人は膝や足首のひねりが大きくなり故障の原因になりますが、骨盤の角度が良くなかったり、お尻の筋肉を固めすぎて開かないと言っている人も少なくないのが現状です。
股関節の無駄な力が抜けて脚が良く回る場所を見つける(骨盤の角度の見直し)、お尻の筋肉を柔軟にしておくことも大事なことです。(骨格によって多少違いがあります)
指導者として「膝を痛めるから無理して開かなくていいですよ」と言う言葉をかけることもありますが、あくまでも「ひざ下を無理にひねってもっと開こうとしないでください」と言っているだけであって、「アンドゥオールしなくていいですよ」と言っているわけではありません。
では無理なアンドゥオールの基準は??
きっちり入った5番で立っているのに動き出すとアンドゥオールを維持することができない、アンドゥオールすることでタックイン(骨盤後傾)や出尻になってしまうという場合は、正しいアンドゥオールではありません。
正しいアンドゥオールは脚が外旋しやすい股関節の状態なので骨盤が前後に動くことはないはずです。出尻になりやすい人は大腿四頭筋(前もも)や腸腰筋(胸椎12番から大腿骨につく大腰筋・骨盤の内側から大腿骨につく腸骨筋)を緩めましょう。股関節の前側のストレッチがおすすめです。
タックインになる人はハムストリングの硬さが問題かもしれません。太ももの裏のストレッチ、体幹筋トレ、腸腰筋筋トレ、足の裏でしっかり床を押し返すなどの方法を試してみてはどうでしょう?
脚と上体をつなぐ股関節でしっかりアンドゥオールすることが軸を作ったり引き上げを維持するために不可欠な事なので、もう一度自分のアンドゥオールを見直してみましょう。
レオタードの股関節のところのVラインをそろえて平らに保つことを意識するだけで左右の外旋がそろいます。
キーワード「パンツの線をそろえて付け根を平らに保つ」ですよ!
バレエはアンドゥオールしないと踊りづらいものです。
センターに出てもアンドゥオールを維持し続けられるよう練習していきましょう。
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