本当に弱いのですか?

大人バレエの皆さんは、本当に熱心で一生懸命だなって感心することが多いこの頃です。

40歳を過ぎたころから筋力が落ちたと感じるようになったり、今まで出来たことが出来なくなったり、先生の指示に応えられなくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

「お腹が使えていませんよ」「お尻が使えていませんよ」と言われるとまず考えることは

「鍛えなっきゃ!!」と言うこと。

それか、使う=筋肉を収縮させる になって、お腹やお尻にぎゅっと力を込める

このどちらも不正解とは言えませんが、まず言えることはバレエの「使う」は筋肉を縮めて力を込めることばかりではありません。ストレッチ(引き伸ばす)して強度を保つことも必要です。

お尻で言えば、大殿筋の下部と中殿筋は良く使いますが大殿筋の上部はあまり使いません。

大殿筋の下部はお尻を中心に寄せる方向に回すと使われますが、単にお尻の筋肉を縮めるとハムストリングス(もも裏の筋肉)をも縮めてタックイン(骨盤後傾)を招き股関節の動きを制約します。股関節が動かなくなると膝のみでプリエをし、前ももを酷使して膝の痛みを招く結果になります。

お腹は力が入りやすい腹直筋ばかりに力を込めると恥骨と肋骨(あばら骨の前側)が近づいて猫背やタックイン(骨盤後傾)になったりします。

「じゃあ、腹直筋は使わないの?」と考えますが、使わなかったら出尻鳩胸になるので使わないことはありませんが、腹直筋、腹横筋、外斜筋、内腹斜筋との使われ方のバランスが重要になります。

「前ももを使わないで」と言う指示もよく聞きますが、使わないことはありませんよ!

プリエをする時、足を上げる時、膝を伸ばす時には必ず使われていますが、ハムストリングス(もも裏)の柔軟性がないと膝が曲がり、それを前ももの収縮で補うことで膝を伸ばすと前ももを過剰に使い過ぎてしまうのが良くないと言う意味なのです。

上手く筋力を発揮するには出力の方向性が大事です。

どこでどのように使うのか?

筋肉の力を発揮できない原因はアライメント(バレエの姿勢)が正しくないこと。

それを筋力が無いと判断して鍛えて鍛えて、筋肉をつけすぎて体が硬くなったり、関節の動きが悪くなったり、体が重くなったりする場合があります。

本当に筋力不足でできないことがある場合には筋トレも必要ですが、まずは正しく筋力が発揮できる状況を作り、動きのリズムやタイミングを使って動いていくことが最優先です。

(力を入れるONと力を抜くOFFの使い分け)

筋トレが必要な人、ストレッチが必要な人、動きのタイミングを直せばできちゃう人、それは本当に人それぞれなんです。

「筋トレ」をすれば全て解決と考えずに努力の方向性を見極めて欲しいです。

自分に足りないものを補うことが上達の近道。

私のクラスでは個々の状態に合わせてアドバイスします。




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