ルティレのヒント

バレエを習っている人ならみんな知っているルティレ、通過点で使うことが多いからパッセと言われることもあります。

大人バレエ初心者さんにとっては簡単なようでなかなか悩みが多いようですね。

ルティレで股関節が開かない、股関節の前側が痛くなる、回転の途中で内向いてきてしまう、高い位置に上がらないなどなど・・・。

異端児バレエ教師相澤の観察眼が光ります。

原因は必要以上に膝や股関節に力が入っていることではないかと見て、こんなことをやってみました。

生徒は横向きに寝て足を揃えます。(手前側が正面です)

タオルを膝の下に通して

私がタオルを引き上げて行きます。膝の前側のタオルをより上に向けて(天井方向)上げますが、生徒は膝の裏の力を抜いています。(骨盤は揃えたまま)

更にタオルを引き上げるとルティレの完成(爪先は必ず伸ばしておくこと)

生徒に意識させたのは、膝の裏側の力を抜くことです。無駄な力が抜けると膝がたたまれていくと同時に股関節もアンドゥオール(外旋)しながらきっちりたたまれていきます。

結局のところ力のONとOFFがうまくできないのです。

連続でパッセパッセパッセパッセと言う振り付けになった時、力でルティレをしていたらどうなるでしょう?

ロンドジャンブアンレールやプティ・バットマンなどで膝下を動かさなければならない時に膝裏に力が入り過ぎていると膝下が動きませんね。

プリエもルティレも膝を曲げる動作ですが、膝の表側(お皿側)に意識を持つと太ももの前側の筋肉に力が入りすぎてしまいます。

上体の引き上げを強く保ちつつ膝の裏を緩める意識を持つとアンドゥオールしたままプリエやルティレがやりやすくなるのです。

前ももを必要以上に使い過ぎると股関節の前側の腱が痛くなったり、回転の途中で膝が内向き、出尻になったり回転にキレがなくなったり、体自体のアライメント(姿勢)が損なわれてしまうことも・・・

5番で立っている時点で脚はアンドゥオールをしているのですから膝の裏を少し緩めながら膝をたたんでいけば股関節も自然とアンドゥオールしているはずです。

立っているだけで体に無駄な力が入っていると(条件以上にアンドゥオールしている場合など)動作をする時に更に力が必要になります。

力を発揮する場所、力が向かう方向などを見極めて、ONとOFFのスイッチの切り替えをして行かないと肉離れなどのケガの原因にもなりますので、上手に関節を緩めることを覚えましょう。

上の写真は力でルティレするのではなく、関節の力を抜くことと、膝と股関節がたたまれていく方向を感覚的に知って頂くために行ったレッスンプログラムです。(人にやってもらうこと)

力ずくでルティレを開いている方は試してみては?

寝てやると簡単だけど立ってやると難しいと思われるかもしれませんが、5番から膝裏を緩めながら爪先が軸足を伝わって上がっていけば難しいことではありません。

膝をたたむことは、フォンジュ、アチチュードなども同じ理屈です。

上手く膝裏を緩めることができるとアンドゥオール(外旋)が維持できるので無駄な力を使わずに踊ることが出来るようになります。

ルティレは良く出てくる動きですから股関節や膝を傷めないよう気を付けて練習していきましょう!!

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